G20開催 通貨安、ビジネス止まる インフレ率25%、金利50% – 毎日新聞

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急激なインフレと金利上昇で来店客がほとんどいない中古車販売店=ブエノスアイレスで2018年7月、清水憲司撮影



 【ブエノスアイレス清水憲司】通貨危機に陥ったアルゼンチンの苦境が深まっている。インフレ率が25%を超える状況が続き、労働者の所得は実質的に大きく減少。50%超の金利では借金もできず、消費が大きく減退した。国際通貨基金(IMF)が支援に乗り出したが、不況入りは必至だ。21日に当地で開幕する主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、米金利の上昇などに伴う新興国の通貨安についても議題になる見込みだ。

 「来店客は8割減。こんなことは一度もなかった」。首都ブエノスアイレスの高級中古車販売店で働くデービッド・オシティアンスキーさん(37)がぼやいた。トヨタ自動車の販売店のパオラ・イナミさん(37)も「この先どうなるか分からないから、多くの人が食費以外にお金を使うのをやめてしまった」と話す。

 新車販売は5月まで前年同月比6~24%増で推移したが、6月は同18%減と急減した。アルゼンチンの通貨ペソは今年に入り対ドルで3割以上下落。このため輸入が多い自動車は価格が平均2~3割上昇した。加えて通貨急落に歯止めをかけるため中央銀行が政策金利を年40%に引き上げたのに伴い、自動車ローンやクレジットカードの金利は50~80%台に急上昇し、借りられる人はほとんどいなくなった。自動車商工会議所のアルベルト・プリンシペ会頭(75)は「ビジネスがほぼストップしてしまった。経済全体の問題であり、手の打ちようがない」と嘆く。

 家電や自動車業界の労働者が加入する労働組合によると、賃金は1~2割の上昇にとどまり、インフレ加速に追いつかない。アルゼンチンは2001年に債務不履行(デフォルト)を起こし、急激な景気悪化を経験しており、同労組のアントニオ・カロ委員長は「今回は人々が飢える状況を何とか避けたい」と話す。IMFが6月、500億ドル(約5・5兆円)の金融支援を決めたものの、経済の立て直しには時間がかかるため、アルゼンチン政府は今後の景気後退を予想する。

 「助けるふりをして、どん底に突き落とすんだ」。職業訓練のほか、食事やシャワーの提供など生活困難者の「駆け込み寺」を運営するネストル・ギーリアニさん(79)は、IMFが支援の代わりに財政再建の加速を求めたことに警戒を強める。通貨危機によるガス代の高騰でパン焼きオーブンを使うのさえためらう状況なのに、財政再建の余波で助成金が打ち切られる恐れがあるためだ。ギーリアニさんは「今はまだ不況の入り口だ。希望は失いたくないが、負の連鎖が始まろうとしている」と話す。


アルゼンチンの主な経済指標

▽経済成長率  2.9%

 (2017年)

▽政策金利   40%

 (2018年5月~)

▽インフレ率  26.4%

 (2018年5月)

▽失業率    9.1%

 (2018年1~3月期)

▽新車販売台数 18.2%減

 (2018年6月)






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