新TPP合意 米国通商圧力の歯止めに – 西日本新聞

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 米国を除く環太平洋連携協定(TPP)参加11カ国が、南米・チリで新協定「TPP11」の合意文書に署名した。各国は今後、国内の批准手続きを進め、早ければ今年中にも発効したいとしている。

 まずはアジア太平洋地域に自由貿易圏の実現が近づいたことを歓迎したい。片や米国は鉄鋼、アルミニウムの輸入制限措置を23日から発動させると発表し、世界経済を支える自由貿易体制に揺さぶりをかけている。11カ国、そして欧州も連携して、米国の通商圧力に対抗することが急務だ。

 TPP11は、参加国の関税の削減・撤廃だけでなく、投資、サービス、知的財産、電子商取引など幅広い分野にわたり、高度で新しい通商秩序づくりを目指す。

 米国が抜け、オリジナル版の一部項目を凍結したが、政府は国内総生産(GDP)押し上げ効果は7兆8千億円と試算している。

 協定承認案や関連法案を政府は今国会に提出する予定だ。国会審議でまだ残る農業分野の懸念などを十分議論した上で、批准への手続きを着実に進めてほしい。

 発効は米国を筆頭に保護主義的な動きが広がる中、自由貿易推進の力強いメッセージとなろう。

 これに対し、まさに論外と言うべきなのは米国が鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の追加関税を課す措置を発表したことだ。

 発動理由は安全保障上の脅威で、国外からの安価な鉄鋼の流入で米国の鉄鋼業が疲弊し、軍事産業の衰退を招くとの理屈だ。手前勝手も甚だしい。その上、発動をちらつかせつつ、通商・軍事負担面での米国への貢献策提示を求め、適用除外も検討するという。露骨かつ狡猾(こうかつ)で、米国という国家の品位や威信の失墜を招く措置だ。

 輸入制限発動で米鉄鋼業界の設備稼働率は上がるが、輸入の制限で鉄鋼関連業界の雇用は大幅に減り、自国にとってもマイナスとの試算も多い。発動に対して、各国・地域が米国産品に高関税で対抗すれば貿易戦争の道を開いてしまう。即刻撤回を求めたい。そのためにも各国は連携を強めたい。

=2018/03/17付 西日本新聞朝刊=





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