IT導入補助金に熱視線 高まる業界の期待感 – BCN Bizline

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01GDP(国内総生産) コメントはまだありません



2017/04/05 09:03

[週刊BCN 2017年03月27日付 Vol.1671 掲載]

限定特集

 国が2016年度に新たに創設した「IT導入補助金」の制度に、IT業界が熱視線を送っている。国全体で課題となっている生産性の向上に寄与できるだけでなく、営業範囲の拡大やパートナーとの関係強化などが期待できるからだ。一方、初めての試みには課題も浮かぶ。補助金をめぐる業界の動向を追った。(取材・文/廣瀬秀平)


中小企業や小規模事業者を支援 名目GDP600兆円が目標

●安倍首相のスピーチがきっかけ

 まずは、補助金制度がどのように創設されたのか、これまでの流れを振り返りたい。きっかけになったのは、安倍晋三首相のスピーチだ。

 「我が国の経済が持続的な成長を続けていくために必要な残るピースは何か。それはサービス産業です」。

 2015年3月に都内で開催された公益財団法人日本生産性本部主催のパーティ。あいさつに立った安倍首相はこう説明し、サービス産業の生産性向上は「経済成長の切り札の一つ」と呼びかけた。

 経済政策「アベノミクス」では、「20年までに名目GDP(国内総生産)600兆円」を目標に掲げる。内閣府の統計では、16年の名目GDPは537兆3000億円。あと4年で約62兆円が必要で、毎年約15兆5000億円を積み上げなければならない計算だ。

 経済産業省によると、運輸や卸・小売り、宿泊、飲食などのサービス産業がGDPに占める割合は、全体の約75%で最も多い。経済規模は年々、拡大傾向を示しているが、労働生産性は低迷している。

 日本生産本部が16年12月に発表した「日米産業別労働生産性水準比較」によると、日本のサービス産業の労働生産性水準(10~12年平均)は、米国の半分だった。米国の7割だった製造業と比べても低く、90年代後半から同じ状況が続いている。

 こうした状況を踏まえ政府は、目標とする名目GDP600兆円を実現するために、サービス産業の生産性向上が必要と判断。対策の一つとして補助金制度の検討を始めた。

●国全体で生産性向上効果を底上げへ

 最終的に、今回の補助金制度は「中小企業IT経営力向上支援事業」の一環で実施されることが決まり、総額100億円の予算が確保された。補助対象は、サービス産業だけではなく、ほかの産業も含めた「中小企業・小規模事業所」に広がった。

 経済産業省商務情報政策局サービス政策課の宮田豪課長補佐は、交付対象を広げた理由について「日本の会社の9割以上を中小企業と小規模事業所が占めており、生産性向上の効果を国全体で底上げできる」と説明した。

 補助金制度で、ITの利活用は「生産性の向上に資する要素」と位置付けられた。ただ、宮田課長補佐によると、中小企業や小規模事業者の多くが、IT投資を経営課題として考える一方、高額な費用負担が原因で、導入を踏みとどまるケースもあるという。

 そのため、「中小企業や小規模事業者でも手が届きやすい金額」(宮田課長補佐)の100万円を1件当たりの上限に設定。補助率は、国の補助制度で「最高レベル」(同)の最大で3分の2を支援する内容になった。

●ITベンダーにも大きな役割

 補助金制度を運用するうえで、ITベンダーやサービス事業者が果たす役割は大きい。生産性の向上効果を最大限引き出すため、ITの導入を検討している中小企業や小規模事業者と協力することが目的となっているからだ。

 ITベンダーやサービス事業者は、「IT導入支援事業者」として事務局に登録した後、パッケージソフトやクラウドサービスなどの「ITツール」を別途登録する。中小企業や小規模事業者は、登録されたITツールを導入し、IT導入支援事業者を通じて補助金の交付を申請する。これが補助金制度の主な流れだ。

 ITツールは、売り上げを作り出す「フロント業務」と在庫管理などの「ミドル業務」、会計や給与管理などの「バックオフィス業務」に区分。登録するためには、原則として複数の機能を備えていなければならない。

 宮田課長補佐は「一つだけの機能をもつITツールに税金を投入することは難しい。補助金として後押しする以上、二つ以上の機能をもっているほうが望ましい」との見解を示した。

 経済産業省によると、16年12月19日から17年1月17日までの一次募集で、約650社が「IT導入支援事業者」となり、約4000の「ITツール」が登録された。現在は二次募集が始まっている。

※本記事はITビジネス業界紙「週刊BCN」より抜粋したものです。全文は紙面をお読みください。
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