社説:[2017衆院選]アベノミクス 地方も浮揚する政策を – 秋田魁新報

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 安倍政権の看板政策「アベノミクス」の効果を巡り、与野党の評価は正反対だ。アベノミクスをこのまま進めるか、それとも方向転換するか。今後の日本経済の行方を大きく左右する重要なテーマだ。

 アベノミクスは、2012年12月に発足した第2次安倍政権が、デフレからの脱却を目的にスタートさせた経済政策。大胆な金融緩和、機動的な財政出動、成長戦略の三つが柱だ。安倍晋三首相(自民党総裁)はこれまでの政策展開によって、実質国内総生産(GDP)が6四半期連続でプラス成長を続けていることなど成果を強調。12年12月から続く景気拡大は58カ月に及び、高度成長期の「いざなぎ景気」に並んだ可能性が高いという。

 この流れの中、自民党は次の一手として、人工知能(AI)など最先端の技術革新で生産性を上げる「生産性革命」などを打ち出した。

 だが、多くの国民は景気回復を実感できずにいる。共同通信社が9月に行った全国面接世論調査で、アベノミクスに「期待しない」「あまり期待しない」は計55%に達し、肯定的な回答を10ポイント上回った。

 期待しない理由で多かったのは「中小企業などに賃上げが及ぶ可能性は低いから」「格差が拡大するから」の二つ。大企業の業績は上がっても中小企業には経済効果が波及しておらず、大都市圏に比べ地方が取り残されているとの実態が浮き彫りになった。

 アベノミクスの金融政策を担う日銀は緩和政策の限界を指摘されている。「物価上昇率2%」を2年程度で達成するとし、国債を買い取り市場に大量の資金を供給する金融緩和策を13年に始めたが、目標達成時期を6回にわたって延期するなど苦しい状況に追い込まれている。

 一時は1%を超えた消費者物価指数(生鮮食品除く)の上昇率は0%台に戻り、物価上昇の影響を加味した実質賃金指数は低迷。金融緩和が物価上昇を引き起こし賃上げにつながるというシナリオ通りに進んでいないことは明らかだ。

 肝心の税収も落ち込み、16年度の税収は55兆4千億円余と15年度に比べて8千億円も減った。マイナスに転じたのは、リーマン・ショックの影響を受けた09年度以来7年ぶりという。

 このままでは消費は上向かず、デフレ脱却は難しいと指摘する声は少なくない。小池百合子東京都知事率いる希望の党は「ユリノミクス」と銘打ち、民間活力を引き出す対策を掲げた。共産党や立憲民主党などはアベノミクスを批判。大企業や富裕層を優遇する施策からの転換や、保育・教育・介護などの分野で賃金を底上げすることなどを訴える。

 求められるのは景気回復を地方にも広く行き渡らせる政策だ。各党の訴えの中身をよく分析し、投票の判断材料にしたい。





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