【タイGDP】10-12月期は前年同期比+3.0%~国王死去後の自粛ムードで減速 – 株式会社ニッセイ基礎研究所 (登録)

Home » 01GDP(国内総生産) » 【タイGDP】10-12月期は前年同期比+3.0%~国王死去後の自粛ムードで減速 – 株式会社ニッセイ基礎研究所 (登録)
01GDP(国内総生産), 実質GDP コメントはまだありません



(10-12月期GDPの評価と先行きのポイント)
10月13日のプミポン元国王の死去に伴い、企業は販促イベントを自粛し、消費者の間では娯楽消費を控える動きが広がった。さらには、タイ政府が違法に運営している中国系旅行会社の取り締まりを強化したことも加わり、10-12月期の訪タイ外国人旅行者数は前年同期比0.9%減と、軍事クーデターの影響で落ち込んだ2014年7-9月期以来のマイナスを記録した。景気減速が懸念されたが、政府が年末に実施した所得控除策2や農業生産の改善に伴う農業所得の増加などが消費を支え、成長率(前年同期比)の低下幅は7-9月期から0.2%ポイントと小幅に止まった。

景気は2四半期続いて減速したものの、今後は上向くだろう。年明けに元国王の死去後100日が経過して民間の自粛ムードが和らぐなか、消費者のマインドは上向きに転じており(図表4)、外国人観光客の回復も期待できる。また政府は地方振興に向けた総額1,900億バーツの補正予算を編成して景気浮揚に向けて動いているほか、農業生産は昨年エルニーニョ現象の影響で落ち込んだ反動増が見込まれ、農業所得の回復傾向も続くと予想される。さらには、海外経済の緩やかな改善によって輸出の増加基調が続けば、冷え込んだ民間投資にも明るい兆しが見えてくるだろう。

先行きの懸念は、当面は米国の保護貿易措置に伴う輸出の落ち込みやFRBの追加利上げに伴う新興国からの資金流出など海外要因が中心だが、その後は王位を継承したワチラロンコン新国王の治世のもとタクシン派と反タクシン派の対立が新たな展開を迎えるかどうかに注目が集まるだろう。年末頃には総選挙が実施され、民政移管がなされる予定だ。スムーズに事が運ばなければ、新国王の求心力が試される展開も予想される。

 



 


1 2月20日、タイの国家経済社会開発委員会事務局(NESDB)は2016年10-12月期の国内総生産(GDP)を公表した。なお、前期比(季節調整値)の実質GDP成長率は0.4%増と前期の同0.6%増から低下した。
2 政府は(1)12月中の国内旅行関連費用に対する所得控除(上限15,000バーツ、昨年の同様の施策による控除を受けていない場合は上限30,000バーツ)、(2)年末(14~31日)の物品・サービスの購入額に対する所得控除(上限15,000バーツ)を実施した。なお、政府は16年4月にソンクラーンに伴う9日間の休暇中の飲食・旅行費用を対象に所得控除策(上限15,000バーツ)を実施している。



コメントを残す