数字で読むASIAのIT 東南アジア主要国のIT市場と日系企業数 – BCN Bizline

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01GDP(国内総生産), 名目成長率 コメントはまだありません



2017/03/23 09:11

[週刊BCN 2017年03月20日付 Vol.1670 掲載]

解説

 中国に次ぐアジアビジネスの主な投資先として、東南アジア地域への注目が高まっている。本頁では、調査会社と政府機関の統計をもとに、マクロな観点から成長する東南アジア主要国のIT市場と日系企業の動向を読み解く。(取材・文/上海支局 真鍋 武)


Chapter 1 IT市場規模シンガポールが最大 今後は微増の傾向

 安定した経済成長が見込まれる東南アジア地域は、日本のITベンダーにとって期待の新市場となっている。では、実際のところ、当該地域のIT市場規模は、どの程度なのだろうか。

 世界中のIT市場を調査しているIDCでは、東南アジア地域の主要6か国(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム)のデータを保有している。同社によれば、2016年の主要6か国のIT支出規模(見込み)は505億9700万ドル。1ドル当たり115円で単純換算すると約5兆8186億円に相当する。同年の日本のIT市場規模は約14兆6706億円なので、東南アジア地域主要6か国のIT市場規模は、まだ日本の2分の1以下ということになる。

 主要6か国のなかで、16年のIT支出規模がもっとも大きいのはシンガポールだ。人口約550万人と限られているものの、1人あたりGDPは東南アジア地域で最大の経済先進国であり、IT支出規模は主要6か国全体の22.6%を占めている。次いで支出規模が大きいのはタイで、20.8%となる。3位のインドネシアは、東南アジア10か国の約4割を占める約2億5000人の人口を抱え、名目GDPも大きいが、主要6か国に占めるIT支出規模の割合は18.0%。IT化がまだ十分に進んでいないようだ。このほか、主要6か国のIT支出規模に占める割合は、マレーシアが15.9%、フィリピンが12.8%、ベトナムが9.9%となる。

 日本のITベンダーの進出が増えている東南アジア地域だが、IDCの統計をみる限り、主要6か国の18年までのIT支出規模は、それほど大きく伸びるわけではなさそうだ。すでに成熟している日本のIT市場よりは期待がもてるものの、2ケタ成長を維持している中国と比較すれば、伸び率は限られている。

Chapter 2 日系企業数 最多はタイ事業拡大はミャンマー

 海外に進出する日本のITベンダーは、大抵の場合、現地の日系企業を第一の顧客ターゲットとして開拓していく。東南アジア地域の日系企業にはどのような傾向がみて取れるだろうか。

 外務省の「海外在留邦人数調査統計」(16年版)によると、ブルネイを除く東南アジア地域の日系企業(拠点)数は9645社(15年10月時点)で、11年から2618社増加した。もっとも日系企業数が多いのは、タイ(1725社)で、製造業を中心に、安定的に増えている。その他の国でも、製造業の割合は大きい。一方、シンガポールは東南アジア地域の統括会社を置いているケースが多く、「区分不明」が25%ある。また、ミャンマーはインフラが十分に整備されていないため、建設業の割合が大きい。

 外務省の統計によると、日系企業のうち、情報通信業がとくに多い東南アジアの国はベトナムだ。労働力が安価なことから、日系ITベンダーにとっても、中国に次ぐオフショア開発先として注目度は高い。同国では政府主導でIT人材の育成に力を注いでいる。20年には100万人をIT業界に就業させる計画だ。

 では、東南アジア地域に進出している日系企業は、今後どのような事業展開を図っていくのか。日本貿易振興機構(JETRO)の「アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」によると、ブルネイを除く東南アジア9か国の日系企業は、おおむね事業拡大に意欲的だ。とくに経済が成熟していない国で事業拡大の傾向が強い。ミャンマーに至っては、「拡大」が79.7%を占める一方、「縮小」「第三国(地域)への移転・撤退」はゼロともっとも勢いがある。同国では、携帯電話がここ2~3年で爆発的に普及するなど、ITを含め市場環境が急速に変化している。次いで、カンボジアでは72.5%が「拡大」と回答。ITベンダーが多いベトナムも、66.6%が「拡大」となった。

 日系企業が事業を拡大すればするほど、ITベンダーにとっては、IT投資の拡大が期待できる。…










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