首相欧州歴訪 経済連携協定の合意を急ごう – 読売新聞

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 日本と欧州による巨大な自由貿易圏が誕生すれば、米国の保護主義的な動きへの牽制けんせい効果を持とう。戦略的な観点から交渉を急ぎたい。

 安倍首相がブリュッセルで欧州連合(EU)のトゥスク欧州理事会常任議長らと会談し、日本とEUの経済連携協定(EPA)交渉の早期妥結を目指すことで一致した。独、仏、伊首脳との個別会談でも、その方針を確認した。

 首相は共同記者発表で、EPAについて「交渉の妥結が世界に発する象徴的なメッセージは極めて重要だ」と強調した。トゥスク氏も、「日本とEUが自由で公平な世界貿易制度に関与することが非常に大切だ」と指摘した。

 両者が「反保護主義」で足並みをそろえ、EPAの早期合意の目標を共有した意義は大きい。

 日本とEUの国内総生産(GDP)は世界の3割を占める。日本がEUに農産物などの市場を開放すれば、競争相手の米国の輸出業者には不利に働く。米国に環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰を促す効果も期待できよう。

 EUにとっても、日本への輸出拡大のメリットを得ることは、英国に続く加盟国のEU離脱の防止に間接的に寄与する。

 EPA交渉は、目標だった昨年中の大筋合意が見送られた。日本は自動車関税、EUはチーズなど農産加工品の関税撤廃をそれぞれ要求し、調整が難航しているためだ。これ以上の遅れは許されまい。双方が歩み寄るべきだ。

 5月下旬にはイタリアで主要国首脳会議(サミット)が開かれる。議長のジェンティローニ伊首相と安倍首相は、先進7か国(G7)が「サミットで、いかなる保護主義にも対抗するとの強いメッセージを発する」ことで合意した。

 G7は世界経済の発展に主導的な役割を担っている。日本は欧州各国と連携し、「米国第一」を掲げるトランプ米大統領に対し、自由貿易が各国の利益となることを粘り強く説明せねばならない。

 一連の首脳会談で、北朝鮮の核・ミサイル問題や、東・南シナ海の秩序維持の重要性に関する認識をメルケル独首相らと共有したことは貴重な成果だ。中朝両国に対する外交圧力になろう。

 オランド仏大統領との会談では、原子力分野の協力を強化することで一致した。フランスの高速炉の実用化に向けて、日仏共同の運営組織の設置を目指す。

 日本にとって、使用済み核燃料の再利用は重大な課題だ。技術協力を着実に進めたい。





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