アベノミクスの成果をイメージではなくデータで確認する – エキサイトニュース

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シンカー:この4年間のアベノミクスの成果は本当に円安だけなのだろうか?イメージではなくデータで確認する。まだデフレ完全脱却へは道半ばで、前政権が決定した消費税率引き上げの実施やグローバルな景気・マーケットの不安定化で足をすくわれる場面もあったが、地道に成果をあげながら前へ進んでいるように見える。

■アベノミクス開始前の2012年末と比較

2016年10-12月期のGDP、日銀短観、そして法人企業統計が出て、この4年間のアベノミクスの成果が確認できる。

この4年間のアベノミクスの成果は本当に円安だけなのだろうか?

各指標をアベノミクス開始前の2012年末と比較する。

2016年10-12月期の実質GDPは2012年10-12月期と比較し5.3%拡大している。

実質民間内需も3.6%拡大している。

名目GDPは9.5%拡大し、これまでの縮小トレンドから転換させた。

GDPデフレーターは3.9%上昇している。

名目総賃金は6.9%、消費税率引き上げの影響で下押される実質でも2.7%拡大している。

企業の経常利益は36%拡大している。

売上高経常利益率は、製造業で4.2%から5.8%へ、非製造業で3.9%から過去最高の5.7%へ上昇し、構造改革の目的である企業が利益を上げやすい環境へ転換させた。

2017年の法人の実効税率は29.97%と、2012年の37.00%から引き下げられている。

2016年の企業の倒産件数は2012年と比較し30.3%減少している。

日銀短観の業況判断DIは、大企業で-3から+14へ、中小企業で-14から+2へ改善している。

中小企業の金融機関貸出態度DIは+3から+21へ緩和し、1989年10-12月期以来の高水準で、資金繰り判断DIも-5から+9へ改善している。

全規模の雇用人員判断DIは0から-21へ、設備判断DIは6から0へ、不足感が強まっている。

2016年10-12月期の就業者は2012年10-12月期と比較し1.4%拡大し、失業率は4.3%から3.1%へ低下している。

有効求人倍率は0.83倍から1.43倍へ上昇し、戦後初めてすべての都道府県で1倍を上回った。

若年層(25歳から29歳)の失業率も5.5%から4.2%へ低下している。

女性の労働参加率は66.4%から73.8%へ上昇している。

外国人の観光客は187.6%、就業者は58.8%増加している。

日銀資金循環統計はまだ7-9月期までしか公表されていないが、家計の金融資産は2012年10-12月と比較し9.2%増加している。

異常なプラスとなりデレバレッジやリストラにより総需要を破壊する力として恒常的なデフレの原因となってしまっている企業貯蓄率は+5.2%から+4.2%へ低下(改善)している。

企業貯蓄率は2014年10-12月期時点で+1.4%まで低下し、デフレ完全脱却に必要な0%まであと一歩のところまで低下した。

しかし、グローバルな景気不安や消費増税の影響を受け、2016年6-9月期には+5.0%までリバウンドしてしまっていた。

2016年10-12月期の法人企業統計では、売上高が前期比+1.5%(2四半期連続の増加)、経常利益が同+5.2%(3四半期連続の増加)、設備投資が同+3.5%(3四半期ぶりの増加)となり、グローバルな景気の安定化と円安、堅調な内需などにより、企業活動が明確に持ち直していることが確認できた。

2016年7-9月期には企業貯蓄率は+4.2%へ再び低下を始め、循環的な内需回復・デフレ緩和の動きが再開したことが既に確認され、10-12月期以降もその改善の動きが継続すると考えられる。

リフレによる財政収支の改善は鮮明であり、財政赤字は8.8%から2.3%へ縮小している。

2016年度の税収見込みは、2012年度対比で31.1%増加している。

マーケット指標を2012年末と2016年末を比較する。

ドル・円は86.8円から113.3円へ、円安となっている。

日経平均10395円から19347円へ、86.1%も上昇している。

日銀の強い金融緩和により、長期金利は0.79%から0.10%へ低下している。

膨張する力である名目GDP成長率が抑制する力である長期金利をバブル期以来初めて持続的に上回り、デフレ完全脱却へ向かうリフレのマーケット環境に転換した。

そして、内閣支持率は前任者の2012年12月の20%から2017年2月の58%へ上昇し、政治の安定による長期政権が外交の発言力も強化させている。

まだデフレ完全脱却へは道半ばで、前政権が決定した消費税率引き上げの実施やグローバルな景気・マーケットの不安定化で足をすくわれる場面もあったが、地道に成果をあげながら前へ進んでいるように見える。

ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部
会田卓司





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