増える日本の現金流通、世界で突出 – 日本経済新聞

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 日本でお金の流通が増え続けている。日銀が21日発表したリポートによると、お札と小銭を合わせた現金流通高の名目国内総生産(GDP)比は2015年末時点で19.4%だった。キャッシュレス化が進むスウェーデンの約11倍に相当する。世界的に電子マネーや仮想通貨といった新たな決済手段が広がりつつあるなかでも、日本は引き続き他国と比べて現金を好む傾向が強いことが鮮明となっている。

 日銀はリポートで、国際決済銀行(BIS)が2016年に公表した統計を使い、主要国の現金の流通残高を対名目GDP比率で比較した。日本の現金流通高のGDP比はユーロ圏の10.6%、米国の7.9%、英国の3.7%など他の主要国と比べても際立って大きい。

 日本はなぜこれほど突出した「現金大国」なのか。日銀が指摘している要因はいくつかある。1つは「タンス預金」として使わないまま滞留している現金が多いことだ。日本は治安が相対的に良く、現金を保管しても盗難のリスクが低いことや、低金利が長く続いていることで預金していても金利収入がほとんど得られないことなどが背景にあるとみられる。

 日銀は2008年にも「タンス預金」など使わないまま滞留する一万円札が2007年平均で30兆円に上ると推計したことがある。その後もお札全体の発行残高が経済成長を上回るペースで増加していることを踏まえると、足元のタンス預金は「さらに増加している可能性が高い」(日銀)という。

 日本でもカードの普及は徐々に進んでいる。日銀のリポートによると、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなど各種カードの保有枚数は日本では1人当たり平均7.7枚。シンガポールの9.8枚に次いで多い。カード払いが普及する米国の4.1枚よりも多い枚数だ。

 日本ではカードを使った割引やポイントサービスを利用する狙いもあり、カード自体は1人で何枚も持ち歩いている傾向があるという。ただ日本では1人当たりのカードでの利用額は少なく、決済手段として根強く現金が好まれているようだ。

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