個人の「働き方改革」では生産性は向上しない – 東洋経済オンライン

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日本の労働生産性を低下させている構造問題

消費喚起によるデフレ脱却と働き方改革の一石二鳥を狙うプレミアムフライデー。個人の「働き方改革」は企業にとっては生産性向上を狙うものだ(写真:つのだよしお/アフロ)

「労働生産性の改善」が日本社会の共通テーマとなっている。「働き方改革」の大号令のもと、労働時間を削る(生産性を上げる)という個人レベルの課題に労働者は追われているのが実態だ。他方で、人口減少社会において「名目GDP(国内総生産)600兆円」を達成するためにはマクロレベルでの労働生産性の改善が必要不可欠だ。

しかし、日本の産業構造はむしろ経済全体の労働生産性を悪化させる方向に進んでいるという現実がある。

労働生産性の改善は進んでいない

内閣府が2016年12月22日に発表した2015年度国民経済計算の年次推計によると、2015年の実質GDP成長率はプラス1.2%となった。

また、実質GDP÷就業者数で求められる労働生産性は前年比プラス0.9%と、2年ぶりに改善した。ただし、2010年以降の平均であるプラス1.4%は下回ったままである。

日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較2016年版」によると、2015年の日本の労働生産性(名目)はOECD(経済協力開発機構)加盟35カ国中22位となり、G7(先進7カ国)では最下位。G7で最も労働生産性の高い米国と比較し、日本の製造業の労働生産性は69.7%、サービス業は49.9%にとどまるという。

同調査では「小売や飲食、製造業などを中心に日本企業は、1990年代からのデフレに対応して業務効率化をすすめ、利益を削ってでも低価格化を実現することで競争力強化につなげてきたところがある」「業務の効率化を進めるだけでなく、新しいサービスや製品を生み出して付加価値を獲得することが重要ということだろう」とまとめている。

最近では、働き方改革などで議論される個人レベルでの生産性向上に焦点が集まりがちだが、上記の指摘を踏まえると、産業レベルの課題のほうが重要といえそうだ。





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