農産品少額輸出で新統計 政府、アジア向け急増ふまえ – 日本経済新聞

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 政府は成長戦略の柱の一つである農産品輸出を強化するため、少額輸出の統計を新たに公表する方針を固めた。従来は1回あたり1品目20万円を超える輸出のみ統計を出していたが、同20万円以下の輸出の推計値も示す。少額輸出は主にアジア向けに急増している。傾向を示すことで、農家や民間企業の生産や営業に生かしてもらい、さらなる輸出拡大につなげる考えだ。

 農水省が四半期ごとに公表する農林水産物・食品の輸出実績の統計に、新たに少額輸出の推計値を加える。月内にも公表する予定だ。

 現行制度では、1品目で20万円以下の少額輸出は原則として通関で申告する必要はない。ただ20万円超の輸出と共に少額輸出をする場合は、最も高い少額輸出のみ申告を求めている。この仕組みを利用して少額輸出の全体額を試算する。通関手続きは変わらず、輸出業者の負担増にはならない。正確な金額は分からないが、大体の規模や増減のトレンドを把握できるようになるとみている。

 政府が近く発表する2018年1~6月の農林水産物・食品の輸出実績は、前年同期比で約15%増の4300億円超となったもようだ。同時期の少額輸出の総額は同7%強増えて230億円程度と、輸出実績の5%程度の規模だったという。特に水産物は12%程度伸び、75億円程度になったとみている。

 少額輸出は、農産品ではミカンなどが人気だ。水産品では、香港向けにお祝い用の高級魚としてタイの輸出が増えている。推計によると、タイは輸出全体の4割超が少額品になるという。かんきつ類は約4割、あられやせんべいなどの米菓も約2割が少額輸出になり、こうした品目では従来の統計だけでは輸出構造の変化がわかりにくい。

 こうした統計は、海外で取り扱う貨物を増やしたい宅配業界から作成を求める声があった。海外に展開する小売業者や商社、生産者側も、少額輸出の傾向が把握できれば、事業計画の策定や、生産、営業の戦略立案をしやすくなる。新たな統計を示すことでさらに少額輸出を増やせると政府はみている。

 政府は19年に農産物・食品輸出額を1兆円に増やす目標を掲げている。同目標は20万円超の輸出を対象に策定したため、継続性の観点から今後も少額品は合算せずに達成を目指す方針だ。





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