新聞社の苦境クッキリー米国労働統計局 – BLOGOS

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米国新聞業界の苦境は度々、報じられますが、今週初めに公開された米労働省労働統計局のTED:The Economics Dailyを見ると、改めてのっぴきならない状況に愕然とします。

TEDのページでグラフを見ていただければ一目瞭然なのですが、データを踏まえて整理してみます。

最初のグラフは、21世紀に入った2001年1月から昨年2016年9月までの間、メディア業界の雇用がどう変化したかを示すものです。

細かくて見にくいでしょうが、一番上の空色のラインが新聞業界です。21世紀初頭では、メディアの中心的存在として41万1800人の社員がいました。しかし、昨年秋の段階では半分以下の17万3709人まで減ってしまいました。21世紀初めの42%に過ぎません。

雑誌、書籍、ラジオも減少していますが、激減というほどではありませんし、テレビはほぼ横ばい。増えたのはもちろんネット出版とウェブサーチポータルで(薄い青緑色のライン)、これは統計の取り方を変えた2007年1 月の6万6634人から増え続け、2015年7月に、新聞を追い抜き、昨年9月には20万6396人を雇用しています。3倍増です。

次のグラフは、事業者数を示すものです。米国の日刊紙は1300程度ですから、このグラフでは週刊紙やコミュニティ新聞などが含まれていると思われます。

同じように21世紀初めに比べて、事業者は9,310社から7,623社に減っています。18.3%に過ぎません。しかし、従業員は58%も減っているのですから、個々人の仕事がきつくなっていることでしょう。人手と時間、カネのかかる調査報道が減ったとされる背景が、これからもうかがえます。

一方、ネット関連メディアとサーチポータルは5,532社から13,924社に増えました。150%増、2.5倍です。新聞を追い抜いたのは2010年の第4四半期のこと。雑誌、書籍、ラジオはここでも微減、テレビは2割近く増えています。

三つ目が一番衝撃的なのですが、新聞社社員の給料がネット関連業界に比べて圧倒的に低いことを示すグラフです。

2015年の数字ですが、ネットメディアやサーチポータルの平均賃金が年20万ドル近くなのに、新聞社はメディア業界ビリで5万ドルにも達していません。正確には19万7549ドル対4万8403ドルです。

あくまで平均ですから、著名なNYタイムズやワシントンポストなどがそんな安いわけはないでしょうが、労働統計局のデータには個別企業の数字はありません。そこで同サイトで州別のデータを探して見ました。

すると、ポストの本拠地、ワシントンDCは全米1高く、週給ベースで2,094ドル、年棒にすると108,888ドルが平均だと分かりました。2位はタイムズの本拠地があるニューヨーク州で週給1,413ドル(年73,476ドル)、3位はそのお隣、ニュージャージー州の1,321ドル(年68,692ドル)。都会は比較的高い。

ちなみに、低いのは①ワイオミングの週給545ドル(年28,340ドル)②ミシシッピ567ドル③サウスダコタ568ドルと続き、いずれも年俸換算で3万ドルに達しません。

週給1000ドルを超えているのは全米50州中8州とワシントンDCの計9つに過ぎません。こんな数字を見ると、新聞社を目指す人が減るのでしょうね。毎年、この時期に公表されるCareercast社の「worst jobs」ランキングでは、2015年、2016年と2年連続でworst1になりました。(今年はまだ未発表) 同社の2017年のストレスランキングでも新聞記者は6位だし、今年もworst jobのNo.1になるんでしょうか。

たまたま、今日、目にしたのが、今、注目されている情報サイトInformationのこのグラフ。

ネット収入に対し、その企業価値を投資家が、どう見ているかの倍率を示すものですが、ネットメディア大手のVox、Buzzfeed、Mashableなどが6倍を超えているのに対し、既存メディアでは最もネット事業に積極的だとされるNYタイムズにして1.5倍程度に止まっています。その他の新聞社は推して知るべし・・・・・切ないですね。





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