生命保険ランキングの作られ方 「上位商品」が正解ではない – ZUU online

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就職、結婚、子どもの誕生や友人・家族に勧められたなど、何かのきっかけで生命保険(以下、保険)を検討する人は多いだろう。しかし、一言で保険といっても、終身保険や医療保険、介護保険など、保険商品にはさまざまなカテゴリーがある。自分にとって、どの保険を選ぶのがベストなのか悩む人は少なくない。

実際、保険に加入したいと筆者の所に相談に来る方は「考えれば考えるほど、どう選べば良いのか、わからなくなってしまって……」と口を揃える。

新商品の登場で、保険選びがますます難しく?

生命保険ランキング,選び方
(写真=PIXTA)

生命保険文化センターの「平成28年度生活保障に関する調査」によると、今や民間の生命保険などに加入している人は、全体で81%である。要は、すでにほとんどの人が何らかの生命保険に加入しているのだ。

保険会社としては、新しく保険に加入してもらう、あるいは見直ししてもらうために、既存の競争の激しい「レッドオーシャン」の分野でしのぎを削るか、まだ競争相手の少ない新しい「ブルーオーシャン」の分野の開拓に注力するか。いずれにせよ、厳しい現状を打破しなければならない。そのため、保険会社が新商品や商品改定を行うサイクルの短期化が著しい。皮肉なことに、これも消費者が商品選びを難しくしている要因の一つではないだろうか?

もう少し待っていれば、もっと保険料の安い、充実した保障の商品が出てくるかもしれない(そうしないと新商品は売れない)。となると、いつまで経っても、生命保険に加入することができなくなる。さらに、比較しようにも、種類があり過ぎて、どう選べば良いか分からなくなるというわけだ。

「保険ランキング」はこうして作られる

さて、そんな保険選びで悩む人なら、いわゆる「保険ランキング」を参考にすることもあるだろう。頻繁にネット上でも行われているが、週刊誌などでも定期的に特集が組まれている。

聞くところによると保険特集は、一般読者以外に保険会社や代理店など、多少なりとも保険に携わる職業の方々がチェックするため、購入部数や閲覧数の伸びが期待できるそうだ。実は、筆者もランキング作成の選者のFPに選ばれることがあるので、実際にどのような流れでコメントしているかご紹介しよう。

まず、ある日突然、担当編集者さんから、エクセルなどのアンケート回答シートとご依頼状がメールで送られている。多くの場合は、終身保険、定期保険、収入保障保険、がん保険、医療保険、貯蓄性保険のカテゴリーごと。

媒体によっては、最近よく目にする就業不能保険や介護保険、自動車保険、火災保険などの損害保険が含まれる場合もある。これらのカテゴリーのうち、ベストな商品5つとその理由、ポイントなどを記入する。以前は、ワースト(オススメできない)商品の記入欄もあったが、具体的な商品名を出しにくいし、あまり意見が分かれることが少ないためか、最近はあまり見かけない。

ベストな保険を選ぶのはプロでも大変!

そして、この作業が非常に大変で時間がかかる。
まず新商品の洗い出しも含め、その時点で取り扱われている数多くの商品の中から一定数を絞り、さらにランク付けしなければならない。

筆者の場合、それぞれ最新の商品パンフレットや契約のしおり、保険約款、HPなどを確認するのはもちろん、必要に応じて、各保険会社の広報や商品開発の担当者に連絡して、現在の販売状況や自社商品のアピールポイント、他社との違いなどを直接取材する。とりわけ、筆者が注目するのは、商品に対する想いや今後の方向性などである。

基本的に、保険とのつきあいは長期にわたる。したがって、保険会社の中長期的な考え方はとても重要なのだが、一般の消費者側は知ることが難しく、しかも保険会社側もニュースリリースなどで十分伝えきれているとは言えない。そのため個人的には、ある意味、FPがその橋渡しになれればと考えている。

他のFPがどのように選んでいるかわからないが、このように、報酬の割に作業量が多い保険ランキング選出は、正直あまりお引き受けしたくない案件なのだ。しかし依頼されたお仕事は断らないのがモットーの筆者。できる限りお引き受けするようにしている。それに、実際ランキングが発表された時に、自分が選んだ商品とどう違うかをチェックするのも面白い。

保険ランキング上位の商品を選んではいけない理由とは?

では、これだけプロであるFPが厳選したのだから、これから保険加入を検討中の人は、ランキング上位の商品を選べば良いかというと、そうとも言えない。

なぜなら、まず、その商品があなたのニーズに合った適切なものとは限らないからだ。通常、保険をアドバイスする際には、相談者の年齢や家族構成、職業、収入、預貯金、扶養家族の有無、既往症の有無、想定されるべきリスク、保険に対する考え方など、さまざまな情報を吟味する。

その上で、保険商品の保険料と給付のバランスがどうか、保険会社の安全性はどうか、窓口や担当者の対応は適切で丁寧かなど、商品以外の点にも目を向けて、比較検討する。それに対して、保険ランキングを選ぶ際は、特定の顧客を想定しておらず、そこから得られる情報は、同カテゴリー内の他社商品との商品性の違いや優位性だけだ。

保険選びに「正解」はない!

また、保険ランキングを選出したFPとあなたの保険に対する考え方や価値観が同じかどうかも分からない。例えば、医療保険やがん保険は不要だと考えるFPもいる一方で、真逆の考え方のFPもいる。

FPは、それぞれの自分の考え方や価値観に基づいて保険商品を選んだり、お勧めしたりしている。ある特定の商品が、保険ランキングのベストとワーストの両方にランクインしていることがあるのが、その証拠ともいえるだろう。もちろん選者の数が少なければ、少数のFPが推した商品も上位にランクインする可能性もあるとはいえ、とにかく、保険選びには「正解」などない。

保険ランキングの商品は、最近のトレンドや保険選びの目安として参考にするものであり、ランクインしている商品が自分に合うとは限らないことを肝に銘じておきたい。そしてFPに相談して、保険選びのアドバイスを依頼する場合は、マスコミなどで取り上げられているかどうかではなく、顧客がそのFPに共感できるかどうかも大切なポイントだと考えている。

黒田尚子
黒田尚子FPオフィス代表
CFP®資格、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CNJ認定乳がん体験者コーディネーター、消費生活専門相談員資格を保有。立命館大学卒業後、日本総合研究所に入社。1996年FP資格取得後、同社を退社し、1998年FPとして独立。新聞・雑誌・サイト等の執筆、講演、個人向けコンサルティング等を幅広く行う。2009年末に乳がん告知を受け、「がんとお金の本」(Bkc)を上梓。自らの体験から、病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。著書に「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)など。

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